シーズン的にも丁度良いので「人事を尽くして天命を待つ」ということについて話をしたいと思います。これは私の好きな諺の一つで、いつも自分自身に言い聞かせるようにしています。日本の現状にもこの諺がぴったりではないでしょうか。これは今の日本ではこの諺を実践すべしという意味です。ここで勘違いをしていただきたくないのは、受験生が最後に絵馬などの神頼みをしますが、あれはこの諺の意味とは違います。この諺を実践した受験生なら神頼みは必要ありませんし、すべきでもありません。ただ、日本の多くの組織(企業も自治体も)は、神頼みをしている受験生よりもはるかに酷い状態にあります。受験生の多くは少なくとも「人事を尽くす」という部分である程度の努力を払っているでしょうし、その結果も本人が受けることになるわけです。例えば「かわいそうだから」とか「よく頑張っていたから」という理由で合格になることはありません。ところが、組織はどうでしょうか?収益が落ち込んでいるのを不況やデフレのせいにし、その付けを人員削減やワークシェアリングでワーカーに押し付けています。これを行った後に「人事を尽くしました」と言ってメインバンクや政府に助けを求める。人員削減やワークシェアリングは人事を尽くす行為には当たりません。これらは責任転嫁の行為です。(リストラやワークシェアリングをやるべきでは無いと言っているわけではありません。)

二十数年前に日本が不況だったときにカネボウと京セラが思い切った改革で大躍進を果たしました。これらの改革は本業と違う業種に乗り出すもので誰にでもできるものではありません(考えてみれば、それ以前にカシオも、もっと以前にはトヨタもそうですね。余談ですが、最近個人的に興味を持っているのはタカラです。この会社はここ数年で大化けする可能性があります…私は株をやりませんので誤解のないように)。ところがテレワークを利用した改革は、ほぼ全ての組織で実施可能です。テレワークに対してアレルギーのある経営者や組織は、それ以外の方法でも構いません。人事を尽くすための大胆な組織改革を断行すべきです。その改革の過程で人員削減やワークシェアリングの必要が認められれば、それらは実施すべきものです。改革なしのそれらの行為は責任転嫁だと言っているわけです。また、単なる部門の統廃合も整理であって、改革ではありません。従って、そこで生じる人員削減も経営者の責任転嫁です。

ところで、ここで言う組織改革とは次の5項目の内の3つ以上の達成を目指すものを指します。

1)コスト効率の向上
2)生産性の向上
3)顧客満足度の向上
4)従業員満足度の向上
5)全社員(経営陣を含む)のプロ化

現在多くの組織が行っていることが上記の3項目以上を達成できないことは明らかでしょう。
ちなみに、テレワークによる組織改革を正しく実施すれば全5項目の達成が可能です(少なくとも私はそう信じています;-)。