予測10:テレワーク導入による目的達成度合は余剰リソース量によって測る事ができる。

以前、テレワークの進行度合を紙消費量・デスクスペースの削減率や電子メディアによるコミュニケーション量・質の変化で測る事が可能ではないかという仮説を述べましたが、その続編です。テレワークには組織的な導入目的があるはずですから、その目的がどれくらい達成できたかを見れば良いじゃないかとなりそうですが、導入目的の中には結果が出るまでに時間の掛るものや、正確な測定法が確立していないものなどもあります。そこで余剰リソースを測定することで目的達成度のプロジェクションが行なえるのではないかと言うのが今回の仮説です。目的に応じて導入するテレワークのタイプが決まりますが、そのタイプと規模からどのリソースがどれくらい余るかという予測は比較的容易に行なえるはずです。テレワークによる典型的な余剰リソースには、デスクスペース、紙の保管スペース、人(時間)、交通費等があるわけですが、これらのリソースがテレワーク導入後どれくらい余っているか、また、予測値との差はどれくらいあるかを見ることで達成度合をある程度推測する事が可能だと思われます。余剰リソースの測定はテレワーク導入数ヶ月後には行なえます。それらの測定には比較的コストの掛る作業も要しないはずですから導入から3~4ヶ月毎に行なえば、進行度合の目安になり、修正や補強の必要な個所を見つけるのに役立つのではないかと思われます。また、余剰リソースを事前に推測しておくことは、それら余剰リソースの再利用方法を計画することにつながり、テレワーク導入の効果をより高めることになります。

実は、余剰リソースの事前推測を怠っている導入事例が非常に多いのです。「テレワーク導入に伴ない社内のあらゆる事務処理を電子化した結果、今まで紙ベースの仕事をしていた事務員が余った」とか、「フルモバイルワークを導入した結果、営業所という看板は無くなったが、実際のオフィスは空きスペースとして存在している」と言う話は読者の皆さんの周りでも良く聞く話だと思います。余談になりますが、ちょっと見落としがちな余剰リソースにモバイルワーカーの移動時間があります。ご承知のようにフルモバイルワークでは所属部門へ立ち寄る必要性を最小限に抑えることで移動に費やしていた時間が余剰リソースとなります。多くの場合、現場裁量でその余った時間を面談時間や訪問件数の増加に当てているようですが、それだけでは不十分です。これは時間という余剰リソースを生産性向上目的で利用しているはずなのですが、組織的な計画性はなく、個人技に完全に頼ったアプローチと言えます。と、ここまで話しておいて恐縮ですが、今回の仮説とは直接関係ないので、この話はまたの機会にもう少し詳しく述べたいと思います。

今回の仮説の延長線上には各余剰リソースとテレワーク導入におけるプロセスやファクターとの関係の仮説が考えられます。例えば、デスクスペースの削減率が予測値を大幅に下回っている場合、導入プロセスのどこに問題があると予測されるのか、或いはどのファクターを見れば説明できるのかというようなものです。(卒論や修論のテーマとしてお勧めします。)