E-コマースと従来の商売の差はバーチャルとリアルの差だという見方がありますが、何がバーチャルで何がリアルなのでしょうか。これは簡単に答えられそうでなかなか難しい問です。例えば、実店舗がないのはバーチャルで、あるのがリアルとすると、実店舗を持ちながらE-コマースをやっている店(クリック&モルタルと呼ばれるもの)も多く存在するのでこの定義は使えません。それでは商取引がインターネット上で行なわれるのがバーチャルで、F2Fで行なわれるのがリアルとするのはどうでしょう。しかし、この定義だとE-コマースでの商取引そのものがリアルではないとなってしまいます。次に商品の実物を見たり、さわったりして確かめる事ができないのがバーチャルで、できるのがリアルというのはどうでしょう。一見よさそうですが、商取引の対象となるのはtangibleなものばかりではありません。サービスのようなintangibleなものを対象とした商取引の場合にはこの定義はあてはまらないのです。というふうに色々考えていくと、結局「バーチャルvs.リアル」という対比自体が不適当だという結論になりそうです。

さて、それではE-コマースとは一体何者で従来の商売とどう違うのでしょうか。次のような比較を試みました。

 

E-コマース 従来の商売
店舗 バーチャルまたはクリック&モルタル 実店舗
商品
tangible 見られない、さわれない等 実物
intangible 提供者の事前面談ができない 事前面談が可能
引渡し
tangible 配達または現物引渡し 現物引渡し
intangible - (差があるかどうか不明) -
商品の比較
(顧客からみて)
tangible 品揃え・価格などの他店との比較が
容易、速い、低コスト
限定的、困難、高コスト
intangible 容易、速い、低コスト 限定的、困難、高コスト
アクター間の対話 電子メディアまたは電子メディア+F2F F2F
マーケットの範囲 グローバル(ネットの範囲) 顧客の通常移動範囲
営業時間 通常24時間、365日 通常10時間/日程度、週6日

まだまだありそうですが、取りあえずここまで。上記の比較は原則論ですから、もちろん例外は両方に存在するでしょう。感覚的には80%以上のケースが上記の比較に当てはまるのではないかと思っていますし、もしそうなら比較の目的は充分果たしていると思います。
つまり、E-コマースとは商取引の全て、または、一部がネットを介して行なわれるもののことで、従来の商売では、それが全て実店舗でのF2Fで行なわれると言うことになります。バーチャルとリアルの比較による説明よりは分かりやすいと思うのですが、どうでしょうか。