1996年7月に帰国したての頃に、何もしなければあと5、6年で日本は蓄えを失って瀕死の状態になっているだろうと思っていました。それから6年経った今はどうでしょうか。相変わらず「このままでは日本は大変なことになる」と騒いでいるだけで何も変わっていないように見えます。確かにこの6年の間に失業率は上がり、所得と物価は下がり、大型リストラで終身雇用神話が終わりを告げましたが、日本号は墜落することなくしぶとく超低空飛行を続けています。

日本号を再び高く上昇させるためには一旦不時着させてテレワークによる大改造を行う必要があることはこの談話室で書いてきたとおりです。日本号は何とかソフトランディングできる場所を探して飛行を続けているように思えますが、このままでは本当に燃料切れでクラッシュするか、軟着陸できてもしっかりしたビジョンもないまま大改造も行えず、他国の上昇を見上げるだけの日々がやってくることでしょう。こんな悲惨な状況の中、日本の組織は変わろうとしているのでしょうか。

確かにかつて無いほどの大リストラを行い、成果主義の導入を検討するなど色々と試行錯誤しているように見えます。しかし、ボトムラインは何も変わっていません。相変わらず不透明で甘え体質の階層型組織が継続しています。一連の大企業による不祥事がそれを物語っています。以前から書いているとおり、テレワーク組織では情報開示と価値評価が最も重要なキーワードとなりますが、不透明で甘え体質の階層型組織ではこれらのキーワードはむしろタブー視されます。つまり、従来型組織では、殆んどの人間が前(自分の顧客)ではなく、後ろ(上司)ばかり気にしており、「正しいことをやる」よりも「正しくやる」ことが評価の対象となっているわけです。これでは社会や顧客にとって害のあることでも上司が「組織のために」と決めたことを実行する人間が組織で生き残り出世していくことになります。そして、その事が発覚すると誰かが責任を取ることで組織の生き残りを図ろうとする。もっと酷いのは、組織が巨大だったり、社会全体への影響が大きいと思われる場合は、国が不透明さを咎めるどころか甘えを許してしまう傾向があると言うことです。

これらはテレワーク化が進んだ社会では考えられない現象です(他先進国の多くでも考えられないことです)。ここまで来てしまうと、現在日本がおかれている状況は「日本病」と呼ぶべき独特なものなのでしょう。もちろん、全ての日本組織やそこに属する人達が悪いと言っているわけではありません。大半の組織と人達は巻き添えを食っているだけなのですが、彼らもテレワーク化を推進するという自助努力が必要です。さて、それでは更にあと5、6年で何か大きく変わるのでしょうか。今度は何も変わらないということは有り得ません。少子高齢化という避けようのない津波が超低空飛行を続ける日本号を襲うことが分かっているからです。

さあどうなるのでしょうか大変楽しみですね。