組織へのTW導入阻害の2大要因はトップの不理解と中間管理職の変化への抵抗です。
(証明なしにこう断定して言えるところが、(私にとって)この談話室の良いところです。)

以前は通信インフラやコストが大きな阻害要因と言われていました(いまだにそう言っている人達も大勢いますが)。しかし、(低額の)定額料金のADSLが普及しても組織へのTW本格導入に勢いが付いていないことからも、これらが大きな阻害要因ではないと推測されます。それに、もしこれらが大きな阻害要因なら韓国や他のインフラの進んだアジア新興諸国でTW化が進んでいても良いはずですが、そういう事実はありません。他には労基法などの法律の不備をあげる人達も同じく大勢います。もしこれが理由なら数は少ないとはいえ本格的なTW化に取り組んでいる組織があることと矛盾します。更にそれらの組織は、低額の定額料金制やADSL普及以前から本格的なTW導入に取り組んでいるという事実もあります。

トップの不理解には、以前挙げたような「経営側にとっての確定したメリットが見えない」ことがありますが、もう一つの理由として「ワーカーのゆとりを生むためのテレワーク」という(80年代からの)入り口から生じたイメージが根強く残っているように思われます。このイメージを払拭しTW導入への動機づけを行うには、経営側から見たTW導入効果を確定させるか、或いは、知識社会に対応した組織作りのための改革ツールとして理解させることが必要でしょう。導入効果の確定方法については以前アナウンスした研究分科会のテーマとして取り組んでいますので来年春には経過報告ができるでしょう。知識社会対応の組織作りについては、まず既存の組織が知識社会の要求に応えられないということを理解させる必要があります。その上で組織のTW化が有効な改革手段であることを分からせることが出来れば良いわけです(言うは易し、行なうは難し、ですが)。これは今後の研究課題の一つということになります。

中間管理職の変化への抵抗は、ある意味でトップの不理解よりも大きな阻害要因と言えます。トップのTW導入へのコミットメントを得られても、それを実行する中間管理職者のサボタージュで無効化することが可能だからです。彼らをTW導入の推進者にするためには次の三つが必要だと思われます。
まず第一に、以前紹介した建前の反対理由を取り上げてしまうことです。取り上げ方法は比較的簡単です。反対理由の正当性を彼らに証明する義務を負わせれば、ほぼ間違いなく潰れることでしょう。
第二に、TW導入云々は抜きにしても組織の大改革へのコミットメントをトップが示し、新しい組織はフラットなもの、または、ネットワーク型になることを周知徹底させることです。つまりこれは中間管理職を対象とした大リストラがあることを意味します。
そして第三に、新しい組織で必要とされる管理職者の能力はテレマネジャーになることで得られることを理解させることです。この三番目は一見難しそうですが、一番目で退路をほぼ断って、二番目で正面からの脅威を与えているので唯一残されているテレマネジャーへの道を選ばせることはそれ程困難ではないかもしれません。
なんだか追い込み漁の話をしているようで中間管理職者の方々には申し訳ないのですが、40~50才台の管理職者の生き残り戦略としてはテレマネジャーが最善の策だと考えていますのでご容赦・ご理解ください。

以上の二つの要因をしっかり手当てすれば組織へのTW導入は格段に進むはずです。その他の阻害要因は導入のし易さや効率に関係するものと考えていますが、それも今後の研究課題の一つということになります。