現在デフレと呼ばれている現象は、消費者が価値に目覚めたことにも一因があるように思われます。従来は、横並び意識の社会、つまり、そのモノの価値はともかく、皆が持っているから買う、皆がその値段を払うから払うというものでした。しかし、10年以上にもおよぶ不況が続く現在では、価値を認めれば値段が高くても買うという時代です。
例えば、昨年のボーナス商戦で一番売れた家電が薄型の大型テレビ(プラズマか液晶か両方だったかは忘れましたが)つまり、数十万円するものだったそうです。逆に、価値が認められないものは安くても買わないという傾向が出てきているように思われます。
これらは、明らかに従来のデフレとは違う症状です。また、去る1月の有力紙にも「昨年は、市場にある貨幣の総額が過去最大だったことが分かった」という主旨の記事が出ていましたが、これも「貨幣の供給量が不足しているためにあらゆる価格が下がる」というデフレとは、まったく相反するものです。デフレ、デフレと騒いでいる政治家とメディアの皆さんにはいい加減目を覚まして欲しいものです。今起きている現象をデフレと言いつづける事で従来型のデフレ対策が正当性を帯びてしまい、完全に誤った政策が取られることになり兼ねません。既に、旧型の既得権益者の多くは、従来型デフレ対策の必要性を声高に謳っています。その対策は、効き目がないだけではなく、この不況から脱出するための最後の余力を奪ってしまうことになるかもしれません。

今、日本が目指すべきことは、目覚め始めた価値への意識を更に延ばし、社会的に発展させて行くことではないでしょうか。つまり、Value-based Society:価値社会への移行を目指すべきだと思われます。今は「価値」の定義も曖昧で、消費者個人個人が判断している状況ですが、それぞれの組織・業界・地域社会等々で価値を定義し、それぞれの価値に基づいた活動・判断を行なえば価値社会への移行が起きるでしょう。以前、工業社会から知識社会への移行が必要だと言うことを書きましたが、価値社会と知識社会の関係については、私はこう考えています:

価値を正しく判断したり、価値を伝えたり、また、価値に関する情報を共有するためには情報と知識の伝達・共有が不可欠であると考えます。つまり、価値社会と知識社会は同じコインの表裏の関係だと言う事です。或いは、知識社会が価値社会を支える土台と考える事もできます。従って、情報格差・囲い込みや、不正な情報操作・隠匿など現在社会で蔓延していることを打破することが最重要課題となります。

現在のモノへの価値の目覚めがワーク・ライフスタイルへと飛び火すればテレワークの必要性や役割が理解して貰えるようになるのかもしれません。