前回に続き愚痴第二段です。

*都市銀行による土曜のATM使用料金徴収について
日本の金融業界に対する自由化が終わっていれば、こんな預金者を馬鹿にした話が通るわけがないのですが。選択の余地のまったくない我々一般預金者はゼロ利息の上に法外な手数料まで取られても黙って従うしかないということです。以前にも書きましたが、米国では深刻な不況を80年代に経験し、そこから、あらゆる業界において顧客中心主義が根付きました。例えば、銀行は平日は5時まで窓口が開いているのが当たり前、土曜日も午後1時くらいまでは殆どの銀行が窓口を開けていますし、地方銀行によっては日曜も開けているところもあります。また、ATMの24時間利用は当たり前で、時間外や休日の手数料もありません。ただし、全ての預金者に対して制限なしの無料サービスというわけではありません。月の預金平均額がある程度以上(千ドル以上くらいだったと記憶していますが)ない場合は、口座管理費を取られますし、ATMについても一月に無料で利用できる回数が決められており、それを越す利用に関しては手数料がかかります。この様なやり方には、預金額の少ない人(低所得者?)に対する差別だと言う人がいるかもしれませんが、そもそも銀行は利益追求のビジネスなので、この様な差別化は当たり前の事と言えます。

ここまで書いて私が6年半前に経験した電話による勧誘の話を思い出しましたので 会話の要約で紹介します。

営業員 「投資としてマンションを購入しませんか?価格もローン金利も今が底です。賃貸料で月々のローン返済も出来ますので、わずかな頭金だけで不動産財産を持てます。近い将来不動産はまた値上がりしますので絶対儲かりますよ。」(最後の言葉は最近のどこかの大臣の発言に似ていますね;-)
「首都圏の不動産はまだまだ値下がりしますから興味ありません。」
営業員 「そんなことはありませんよ。多くの大学の先生方にもご購入いただいておりますので是非どうぞ。」
「優秀な先生ほど世の動向に疎いですし、経済専門の先生で経済観念の発達した人を見たことがありませんから、多くの大学の先生が購入しているというのは私にとっては何の意味も持ちません。それに、不動産の価値は今後も下がる可能性が高いのに絶対儲かると言って勧誘するのは倫理に反するんじゃないですか。」
営業員 「不動産価値がこれ以上下がるようなことがあれば日本の銀行が大変なことになりますよ。貴方は銀行がドンドン倒産して日本の経済が滅茶苦茶になると言うんですか。」(かなり怒った口調でした)
「日本の経済が滅茶苦茶になるかどうか分かりませんが、日本の銀行の多くは今のままなら潰れた方が日本国民のためになるでしょう。まぁ、放っておいても多くの銀行は潰れるか大幅な再編が起きるでしょうけど。それに、経済も一時期の混乱はあっても滅茶苦茶にはならないでしょう。」

この後は、これ以上話してもお互いの時間の無駄遣いだからと言って電話を切りましたが、今改めて書き出してみると、私も随分物好きで少し意地悪だったかとも思います。しかし、この約6年半前の会話内容でどちらの予測が正しかったかは一目瞭然です。私の知っている「大学の先生」でもこの様な勧誘に乗ってマンションを購入したは良いが、3年ほど前から賃貸収入が安定せずローン支払いで大変な目にあっています。おまけに、マンションの価格は下落し続け(中古市場は更に悲惨です)、おまけにローン金利まで下がっています。私の予測で唯一ハズレたのは「銀行の倒産」ですが、これは潰れるべき銀行に(我々の血税を使って)延命の手を差し伸べたところがあったためです。業界の自由化も進んでおらず、弱腰の政策に経済は底を這ったままです。バブル崩壊直後はいざ知らず、今の不況が銀行と不良債権のせいだけでないことは確かでしょうが、主要因の一つであることは間違いないでしょう。銀行を守るのではなく、預金者と借入れ企業(特に中小企業)を保護した上で業界の自由化を進めれば、この業界でも真の顧客中心主義が根付くはずです。