三月末から約一ヶ月の間に取材を含め数人の新聞記者と話す機会がありましたが、いずれもテレワークへの new comer とのことで「テレワークとは?」から始まって色々基本的な質問が続きました。さすがに同じような質問に2~3度と答えていると疲れてしまいました(一回の平均取材時間は2時間強!)。そこで将来同様な質問に対して「まず談話室を読んでください」と言えるように、これから数回に渡ってテレワークの基本的なところを書いて行きたいと思っています。

と言うことで、今回はテレワークの始まりから70年代までの動きと定義について書きます。既に知っているという人は、今話は飛ばしてください。

テレワークの概念は60年代に出てきたと言われています。誰が最初かについては二つ説があって、説明すると長くなるので辞めますが、とにかくITを利用して自宅で働くことの可能性が説かれました。その後テレワーク概念のより現実的な形が注目されたのは70年代半ばの第一次オイルショックの時になります。当時NASAのエンジニアだったJack Niles氏によって通勤することなく自宅で働くテレコミューティングというテレワーク形態が提案され、車に頼らない働き方として米国を中心に世界中の注目を浴びました。オイルショック前の米国ではガソリンの値段も安く、道路にオイルをばら撒いて走っていると言われていた8気筒の大型車全盛の時代でした。「省燃費」なんて考えてもいなかった時代です。しかし、オイルショックの実質的痛みが消えると共に世間のテレコミューティングへの関心も薄れて行きました。まだパソコンもなく、コンピュータネットワークの一般的な利用手段もなかった時代のことです。色々な意味でITそのものの未成熟さがテレワークの現実味をなくしていたのかもしれません。

以上のことからも分かるように、初期のテレワークとは「雇用者が通勤せずに自宅でITを利用して働く」というものでした。ちなみに、テレワークはテレ(tele)とワーク(work)を合わせた名称で、直訳すると「離れて働く」となります。テレビジョン(television)やテレフォン(telephone)などもテレを使った名称です。同様にテレコミューティングもテレとコミューティング(通勤)の合成なので「離れて通勤」とか「通勤しない勤め」と言うことになります。

次話では80年代から90年代半ばまでの動きについて書きます。