今年の3月に持続可能な地域活性化について書きましたが、そこで紹介したモデル自体は2年半ほど前に作ったもので、幾つかの講演でも発表してきました。マイクロビジネス(MB)・SOHO関係者やテレワーク推進者・研究者等には、比較的受けが良かったのですが、肝心な自治体行政担当者からは比較的冷ややかな目で見られていました。ほとんどの場合が、「こんなものは机上の空論で、実施は不可能」(ここまで直接的な表現ではありませんが)という反応でした。私の方は、「不可能ではない」と反論して見るものの、「それでは、どこか実施しているところがありますか?」の質問で、ぐうの音も出せなかったというのが昨年までの状況でした。

ところが、今年に入って頼もしいニュースが二つ飛び込んできました。一つは、木更津市で起きている動きです。木更津市では、市の人員・予算規模のスリム化をMB・SOHOやNPO等を活用したアウトソースを積極的に行なう事で達成しようという試みに取り組み始めているようです。今回、木更津市を中心として活動する「ちばSOHOエージェンシー」というNPOのアドバイザーに就任することになりましたので、その活動や木更津市での取り組みについても随時紹介していきたいと思います。

もう一つは、埼玉県志木市の取り組みです。こちらの方は、日経新聞の夕刊で紹介されたので、ご存知の方も多いかもしれませんが、市民の意識改革を進めると同時にMB・SOHO等を活用した業務のアウトソース化を推進する事で、市職員を現在の10分の1規模まで縮小できるとしています。具体的な例として、今まで市職員がやっていたある業務を市民にアウトソースすると時給700円で出来るという話が出ていました。市職員の場合、時給1500円だとしても、実際にかかるコストは時間単価にして3000円以上でしょうから、単純比較でも4分の1以下のコストで同じ仕事ができることになります。(アウトソースした場合は、管理コストやリスク保証コストなどが発生するので、正味のコストセーブは現状の50%程度ではないかと見ていますが)

もちろん、両市の取り組みが本格化するためには、業務をアウトソースするための仕組みや、仕事の管理・評価方法やリスクの管理方法、個人情報を含む秘密情報の取り扱い方法など解決すべき問題は多くあります。しかし、いずれも解決不可能な問題ではありません(恐らく、思っているよりも難しい問題でもないでしょう)。両市の試みが一旦動き出して、その効果が明らかになれば持続可能な地域社会へ向けて加速して行くことでしょう。そうなれば、両市をトレンドメーカーとして他の多くの自治体が雪崩を打って続く、と言う現象がここ2~3年の内に見られるかも!?

最後に期待される出来事をもう一つ。去る4月の地方選挙で、テレワークに理解の深い清原氏(元東京工科大学教授)が三鷹市の市長選に立候補し、見事当選されました。三鷹市は元々SOHOセンターなどを活用した地域活性化に果敢に取り組んでいることで全国的に知られていますが、清原市長の誕生で、市役所自体のテレワーク化が始まるのではないかと期待しています。