改革実践グループ(A)と主流の守旧派(B)は、けっして折り合いが良いとは言えません。

そんな中、Bから来た長(X氏)は、なんとかAとBの中を取り持とうとしていますが、なかなか上手く行きません。Aは、あくまでも目的達成を目指しているのに対して、X氏は、期限を越してもAが存続出来るようにすることこそ最重要課題だと思っているからです。つまり、Aは、目的を達成するために存在しているのであり、存在し続けることが大事だとは思っていないのです。ここで、読者の方は、「でも存在し続けることで目的を達成できる道も開けるのではないか?」と思われたかもしれません。しかし、X氏が言っているのは、「まず存続し続けることが最重要である。その為には、目的達成を保留したり、変更したり、場合によっては、諦めることも仕方がない。」と言っているのです。

ここで読者の皆さんに質問です。皆さんならどうしますか?討ち死に覚悟であくまでも目的達成を目指しますか。それとも、組織の一員であり続けるための活動を優先させますか。

ちなみに、Aは、目的を達成することで、自分達の価値を証明し、そのことで、組織も期限を越しての存続を認めてくれるだろうと考えています。また、期限を越しての存続が許されなくても、自分達の市場価値は遥かに高いものになっているはずだと思っています。

一方、Bの方は、Aがどんな実績を出そうが、組織はそんなものに興味は無く、評価もされず、期限切れ解散となるだろうと予想しています。実際、従来の組織ではそうでした。

さて、そんなギクシャクした関係を保ちつつ、大きな衝突もなく来たAとBでしたが、ある事が切っ掛けで、関係が悪化しかけています。そのある事とは、次のようなことです。

Aのメンバー(Y氏)が、別グループのメンバーと雑談をしていました。その雑談の中で、BがAのやることに理解を示さないだけではなく、何かと干渉して来ること。Aの長(X氏)も、AがBに協力姿勢を示して、その見返りとして助けてもらうことが何よりも重要と言っていること。しかし、Aのメンバーは、誰一人としてそんな事には興味はなく、保身の為にBに協力する時間があるなら目的達成の為に時間を使いたいと考えていることなどを話して、「田中真紀子さんではないけれど、我々が改革に向けて前進しようとしているのに、よく見ると誰かが裾を踏んでいる、という状況です。」と話していました。ところが、この雑談に聞き耳を立てていたBの幹部メンバーがいたのです。その幹部メンバーは、他のBのメンバーにそのことを伝え、Aの長であるX氏にも伝わりました。X氏は、その問題の発言者であるY氏を訪ね、「Bのメンバーは、『Aは、けしからん』と怒っている」、「どうして別グループの人達にそんな発言をするのか」と苦言を呈しました。さらにX氏は、「私はAの期限を越しての存続は、Bの協力なしではあり得ない。だからBには、協力する姿勢を示すことが重要で、怒らせるような言動はすべきではない」と続けました。Y氏は、彼の不用意な発言でX氏に迷惑を掛けたことを詫びました。その上で「Aのメンバーは、Bに協力することに否定的ではなく、現に今までも充分な協力をして来ている。しかし、Bが、それ以上を求めているのなら、それは我々の目的達成の妨げになる負担になるので無理である」と告げました。実際に、Bは、本来Bの仕事であり、Aにはまったく無関係な仕事をAのメンバーに押し付けようと何度か試みています。

さて、ここで、また読者の皆さんに質問です。中国の諺に「小鳥は、大鵬の志を知らない」というものがありますが、ここで大鵬は、どちらだと思いますか?もちろん、AとBは、それぞれ自分が大鵬と思っていることでしょう。

これが、組織改革を進めようとしたときに何故意識改革が一番難しいかを物語っているような気がします。