自治体への大幅な補助金削減が決定され、今年は手始めに1兆円のカットが予定されています。今後3年間で4兆円の削減と言うことですが、この額は、あくまでもスタートラインになるでしょう。完全な税源委譲が成ったとしても、多くの自治体では、平成15年度の予算規模から平均で3~4割削減、また、5割以上の削減になるところも出てくるものと思われます。しかも、これらの予算削減を、自主的に戦略を立てて行うところと、財政破綻が表面化して破産状態で強制的に削減されるところに分かれるものと予想されます。この予想が単なる悲観論ではなく、現実味のあるものであることは、各自治体の財政部門の方々が一番ご存知でしょう。もちろん、各首長も、その事は充分承知しているはずなので、自主的削減か、破綻による強制削減になるかは、ここ2年以内の首長の決断に掛かっていると言えます。問題を無視し続ける自治体は、平成18年~19年ころには待ったなしの状況に追い込まれてしまうでしょう。一番考えられるシナリオは次の通りです。

自治体や関連外郭団体等による官製不良債権が極限まで膨らみ、地方銀行が新たな地方債の受け入れを拒否し出します。地方債の50%以上は借金返済のためのものです。従って、不渡りを出す自治体が出てくるということになります。それらの自治体は、破産宣告を受けるか、国からの公的資金の注入を受けて国営化された元都銀と同じ形になるかのどちらかの道を辿る事になります。どちらにしても地方公務員の大リストラと大幅賃金カットは免れません。

これが、遠い未来の話ではなく、ほんの2~3年後に起こりえる話です。

さて、話を今年の予測に戻しますが、昨年から起こり始めている行政による業務のアウトソース化は、ますます活発になるでしょう。しかし、その多くは、コスト削減のみを狙ったものであり、アウトソースの受注先は大手企業であることが多く、結果としてコスト削減は出来ても、地域のお金が外に流れ、しかも地域内の雇用が減るということになります。従って、中・長期的に見ると、コスト削減だけを狙ったアウトソース化は望ましい戦略ではありません。それでは、どうすれば良いかというと、コストを削減しつつ、雇用を増やし、市民サービスの質・量を向上させ、外貨の稼げるビジネスを育てる、という一石四鳥の策を実施することが望ましい戦略となります。この談話室でも何度か紹介した高知県では、この奇跡のような策を実施してS-cube(H15.2.27談話参照)、つまり、持続可能な社会への移行を達成しようと計画しています。その策とは、もちろんテレワークとアウトソーシングを利用したものです。その方法は、H15.2.27~3.7にかけての談話で紹介したものに準ずるものです。ただし、この方法を正しく実施しても、確実なのはコスト削減と雇用増加だけであり、残りの2点については、100%と言うわけにはいきません(新規ビジネスの成否の問題なので100%保証はあり得ないと言う事です)。

その残り2点の成功率を如何に上げていくかが今後の最重要課題となるでしょう。しかし、保証できるはずの2点だけでも実現されることが確認されれば、この戦略が全国の自治体から注目されることは間違いないでしょう。

従って、今年の自治体の動きとしては、前半は、コスト削減目的のアウトソース化の流行、後半に入ると高知での試みが注目され始め、その戦略への実施検討が各地で活発になるでしょう (と言うのが私の希望的観測です;-)。